第9章 子どももあなたも、もう要らない?

病室で向かい合う中野航平と中野蓮は、まるで同じ型で抜いたみたいだった。瞳に宿る冷えた光まで、そっくり同じ。

長谷川栞は胸の奥がきゅっと詰まる。

今さら――離婚という言葉を思い浮かべるだけで、胸の内側が針で刺されるみたいにちくちく痛んだ。

その沈黙が、航平の誤解に火を注いだ。

写真の男と、栞が「汚い関係」にあるのだと。

「言えよ。そいつ、誰だ」

「お前とどういう関係だ」

「電話も出ないで、息子も放って、そいつとコーヒー飲むために消えたってのか?!」

航平は拳を握りしめる。感情が荒れて、手の甲の血管が浮き上がった。

必死に栞へ電話をかけても繋がらない。

そのタイミングで、差出...

ログインして続きを読む